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気晴らしに

ちょっといやなことがあったので、気晴らしに遠くまで散歩に出かけました。お出かけ先は出身校のある横浜、山手の丘。今住んでいるところからだとトータル2時間くらいかかります。やらなければならない翻訳授業の課題もありましたが、家に一人でいるのも落ち着かなくて。
 帽子つくりを習っている友人が、ちょうど、その山手の丘でグループ展を開いていたこともあり、行って見ました。
かつての通学路を辿りながら。
 変わってなかったー。もう、十数年たっているのに、目をつぶっても歩けそうでした。ひょっこりそこらへんから、中学時代の友人が、あのころの姿のままで飛び出してきそうな気がしました。
 下校中の母校の生徒たちとすれ違いました。年に似合わぬあどけない遊びをしている後輩たちを見て、かわんないなーと一人、にまにましてしまいました。垢抜けないところが相変わらずです。うれしくなって、あやうく話しかけそうになりました。
 曲がり角を曲がるたびに、懐かしい光景が目に飛び込んできて、どんどん元気が沸いてくる感じがしました。
中高時代っていうのは、やっぱり、特別ですね。小学校や大学の校舎を歩いてもここまでは感じられなかったと思います。私の人生に、大切な友人たちをもたらしてくれた中高時代だからこそ、なんでしょうね。

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今日はひどい目にあいました

日付が変わってしまったので、正確には昨日ですが、朝から痴漢にあってしまいました。しかも、かなり怖いかんじの。始発電車に乗るようになってから、満員電車に乗ることもなくなり、三十路にも入り、結婚して夜歩きもあまりしなくなったので、もう痴漢にあうこともないとすっかり油断していました。しかも、お日様の出ているうちでしたし。このブログをごらんになっている女性の方はぜひ気をつけてくださいね。若いお嬢さん方が見てくださっているようなので、特に、注意を喚起したいと思います。翻訳にも、本にも関係ありませんが。
 人通りの無いところで道を聞かれたときは昼間でも注意してください。道を聞かれたらつい教えてあげたくなるのが人情ですが、不人情なようでも知らないと言って足早に立ち去ったほうが良いかもしれません。大の大人なら自分で何とかできます。今日はそれで、痛い目にあいました。馬鹿丁寧に教えてあげていたら、あぶないおぢさんでした。あまり良く分からないからほかの人にも聞いてくれといって立ち去ろうとしたら、呼び止められ、下着が透けているといわれました。確かに、今流行の白いシフォン系のスカートをはいていたので透けやすいものですから、つい私もあわててしまって、平常心を失ってしまいました。
男は「自分は下着メーカーに勤めていて、透けない下着を車においてあるから、ちょっと見てみないか」とか甘言を弄して、自分の車に乗せようとしましたが、さすがにそこまでは私も抜けていませんでした。仕事に行くところだからと立ち去ろうとしましたが、「(透けているのを)なおしてあげるから」とかなんとか言いながらスカートの中に手を入れ始めてきたので、さすがにまずいと思い、走って人通りのあるところまで逃げました。追いかけられましたが、後ろから体を触られただけですみました。車に乗せようとするあたり、かなり悪質っぽかったので(いつも何時ごろここを通るかとか聞かれて気持ち悪かったこともあり)、すぐ110番しました。
 ああ、怖かった。へんたいおぢさんに懇切丁寧に道を教えてあげていた自分に腹が立ちました。
何だか、同じ道を通るのが怖くなってしまいました。
 しかし、警察にいろいろ男の特徴を聞かれましたが、意外に自分が覚えていないことに驚きました。服装も髪型も、見ているようで、見てないものですね。確かにそうかと言われると、霞がかかったようにぼやけてしまいます。普段から、注意深く物事を観察しておく癖をつけておく方が良いかもしれませんね。

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お道具箱 リブリエ

意外にあたらしもの好きなもので、珍しい商品が出ると気になってしょうがありません。去年パソコンを買い換えたときにたまったポイントで購入しました。このお道具は、ソニーが出している、電子書籍を読むためのツールです。
 電子書籍というと、パソコンのモニターや液晶画面で読む、目の疲れる本という感じがしますが、リブリエは驚くほど紙に近い表示をしてくれます。電気屋さんではじめて見たときはダンボールか何かで出来ている見本かと思ったくらいです。まるで違和感なく読めるので、最初のころは、何度もうっかり手でページをめくりそうになりました。
 購入してから、読書量は増えたように思います。ただし、読める本は「Timebook Town 」 で出している本のみで、テキスト形式のものはソニーの提供するソフトで変換してからでないとよめません。また、「Timebook Town」は貸本の形をとっており、購入して2ヶ月たつとダウンロードした本は読めなくなってしまいます。
 本がどんどんたまってしまうので、居住空間をこれ以上圧迫しないためにも買ってよかったと思っています。
ただ、まだ一号機なので、動作が遅い!!です。スイッチを入れてから読める状態になるまでだいぶ待たされます。スイッチが入ってしまえばストレスない程度の速さでページをめくれるのですが。あと、すこし、壊れやすいかな?購入して半年経たずに一度修理に出しました。個体差があると思いますが。たまたまはずれだったのかも。
 「TimebookTown」では会員になると基本料金を合わせて1200円程度で5冊の本を読むことが出来ます。文庫化されていない新作の本もたくさん出ているので、かなりお得感があります。2ヶ月で読めなくなってしまうので、結局好きになった本は買いなおすことになりそうです。まあ、ためし読み代金と考えても、なんとかわりきれる値段ではありますが。
 

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前回の授業の反省

今度ばかりは、授業をさぼろうかと思ってしまいました。いくら読んでも、作者の意図が読めない箇所が何箇所も。自分の読解力自体(英語日本語問わず)が不安になりました。本を沢山読んでいるつもりだったけど、果たしていつもちゃんと理解できているんだろうか、と。
たった2行ほどの英文を何時間見つめていたことか。ぎりぎりまで悩んで、授業に向かう電車の中で修正したりして、ぼろぼろでした。
(今回の反省点)
単数形、複数形の違いにもっと敏感になること。  またやってしまいました。つい見逃しがちですが、大きな誤訳のもとです。自分の中で可算名詞、不可算名詞の区別が上手くできていないのかも。
なんとなく正しい方向に解釈できても、自分の中で消化しきれていないため、訳文が堅苦しい。  いわゆる翻訳調になってしまっています。難しい箇所はとくにそうなりがち。当然、周りの文体から浮き上がってしまいます。誤訳をおそれてつい腰が引けてしまうんですね。日本語にしただけで息切れして、深く追求できないのかもしれません。
文の流れを無視しない。
 毎回書いてますね。あきれるほど、学習しないなー。それほど難しくない箇所だったのに、流れの確認を怠ってしまいました。自分の訳文だと、作者の性格にも合わなくなりそう。
 

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被害者は誰 貫井徳郎 著

 美貌のミステリー作家吉祥院と、学生時代の後輩である警視庁一課の桂島。桂島の持ち込む事件を鮮やかに解決する伊集院は、美貌に似合わぬ毒舌家で人使いも荒く、桂島はいつもその被害を被っている。二人の掛け合い漫才のようなやりとりが楽しい。
 短編で、軽い読み物に仕上がっているが、しっかり、衝撃のデビュー作「慟哭」を髣髴とさせてくれるところがうれしい。仕掛けが沢山用意されている。またもや、あっさりだまされました。いつもながら、足もとを掬われるような驚き。収録作品は「被害者は誰」「目撃者は誰」「探偵は誰」といった具合で、加害者を推理する普通の推理小説とはちょっと違う。読者を欺く推理小説のテクニックが駆使されているので、ミステリー作家を目指している人にはいい勉強になりそう。

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舞姫通信 重松清 著

 主人公は高校の新任教師、海。赴任した高校には、数年前自殺した少女についての伝説があった。学校の屋上から身を投げ出し、舞姫のように舞った少女。いつしか舞姫と呼ばれるようになった少女は、生徒達からある種の憧れを集めていた。舞姫を讃える発行者不明の新聞、舞姫通信が、月に数回、生徒達の間に配られていた。同じように双子の兄、陸を自殺で失っていた海は複雑な思いでそれを見ていた。明確な理由のない自殺。残された人間は戸惑い、それぞれのやり方で陸の死を辿っていく。芸能界で仕事をする兄の婚約者は、自殺を売り物にするアイドルを育て上げることで、亡き婚約者へ近づこうとする。
「理由なき自殺」というキーワードをめぐり、それぞれのドラマが展開していく。テーマがテーマだけに、目が離せない。ちょっと青臭い感じもする。嫌いではないが。こうした文章を書くことが出来るってことは、感性が若い証拠。作者は元教師とのこと。こういう感性を持った先生に教わることができるのは幸せなことですね。

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今年はじめからの洋書読書量

少ない!多読宣言したのが恥ずかしくなりそうです。併読しているせいか、結局1冊しか読み終わっていません。あまりに寂しいので、読み終わっていない本も含めて、読んだ総ページ数を数えてみました。1月から5月末までで、986ページ。多少、少なく見積もっているので、大体1000ページというところでしょうか。5ヶ月で割って、1ヵ月200ページ程度。一冊いっていないですね。うーむ。2年前に比べれば大進歩ですが、まだまだまだまだですね。翻訳家の宮脇先生は、修行時代、一日一冊読まれていたそうです。今の私には信じがたい早さ。
 併読だと、なかなか一冊を終わらせることができず、モチベーションも下がりそうです。というわけで、やはり併読はやめて、一冊ずつ集中して読むことにします。とりあえず、今、急激に面白い所へ差し掛かりつつあるあのベストセラー本を、先にやっつけることにしました。読み終わりましたら、また、感想をアップします。

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木を見て森を見ず

おととい授業の日でした。今回のお当番の方々はいずれも実力派。自分なりに推敲してきたつもりなのに、お二人とのあまりの違いに授業中激しく落ち込みました。一瞬ですが、本気で勉強をやめようかと……。
 なによりもまずかったのは、今回のキモともなる部分を完全に読み違えてしまったこと。「思いこみ」と、「作者のこころに添えなかったこと」が敗因です。
 まず、「思いこみ」の方ですが、前回の反省をもとに、「文の流れ、文の流れ」と呪文のように唱えながら、流れを意識して訳していた(つもりだった!)のですが、意識していた流れ自体が思いこみという悲しさ。思いこんだ流れにあうような訳語を辞書の中から無理矢理探して、無理矢理訳文にはめ込んでしまいました。辞書を隅々まで見る事は大事なのですが、無理矢理探すのはよくありません。でも、こういう時に限って見つかっちゃったりするんですよね、その流れにあう訳語が。だいたい、一生懸命探さないと見つからない訳語っていうのは、使用頻度も少なかったりするので要注意です。見つけたうれしさで飛びついてしまうところが、もう冷静さを欠いています。
 冷静に見ると、その段落中では何とか意味が通っても、その段落自体が全体の中で浮き上がってしまっています。なんで急に話が飛ぶんだ?という感じで。文の流れに気をつけているつもりでも、まだまだ甘すぎます。視野が狭すぎです。木しか見えていません。森はとても大きいのです。

 「作者のこころに添えなかったこと」については、森全体を視野に収めることができれば起こらなかったはずでした。なぜここにその文がなければならないのか、何が言いたくて筆をとっているのかさえ分かっていれば……。
 とにかく、森を見ることです。
 

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