前回の反省
今回はお当番でした。新しい課題作品のトップバッターだったので緊張しました。
それでは早速。
1原文の文体をくみ取る
on the stroke of ~「~時の鐘がなった時」という意味の語句ですが、「~時ちょうどに」などとシンプルに訳してしまうとニュアンスが出ません。
作者が凝った表現を使っている場合、訳出の際にも気を配らないといけません。
2小説の導入部分は、まだ判明していないことも多いので注意。
訳者は先の方まで読んで訳しているので、つい読んだ内容を前提に書いてしまいがちですが、読者にはまだ伝えるべきでない情報もあります。作者はもちろんそのつもりで書いていますので、きちんと意図をくみ取って隠して訳すこと。
3 語順を原文に合わせた方が良い場合には、後戻り訳をしない。
後ろの文とリンクしている場合は、後戻り訳をして流れを断ち切らないこと。毎回のように反省して、注意しているつもりなんですが無意識でやってしまうらしく、見落としてしまいます。今回の場合、臨場感あふれるスピーディな展開になっており、とくに流れを断ち切らないように注意が必要。
4 接続詞があったら、なにを受けているのか考えること。
基本中の基本のような気もしますが、butのような接続詞があったら、なにがbutなのかしっかり考えること。意外に機械的に訳してしまいがち。
5 作者の意図を読者に伝えられるか?
自分では、流れの中でその文の果たす役割を分かっていたとしても、訳文に出す努力をしなければだめ。ちょっとした単語にも役割があることがあるので、訳出しづらいからといって削らないこと。
6 自分を抑えること
気の利いた表現が浮かんだと思っても冷静になること。そこにあてはめるのは適切でしょうか?
7 辞書は最後まで見ましょう
辞書は下の方までチェックしないとだめ。最初の方だけちょろっとみて済ませがちですが、怠るととんでもない訳に。
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