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前回の復習

1 I am sorry は難しい

 妻が遭難して見つからない男性に、女性が"I am sorry about her"というふうに声を掛けると男性は"Me too"と返す場面です。男性の返事とあわせて考えると訳出が難しいところ。直訳的に「お気の毒ね」とすると、もう死んでしまったみたいですし、男性の返事"Me too"の訳に困ってしまいます。私は悩んだ挙句「気を落とさないで」「ああ」としました。でもまだちょっと死んでしまったみたいな感じは消えませんし、"Me too"も意味合いがあまり出ていません。先生は「無事だといいんだけどね」「同感だ」とされていました。

2 状況に合わせて形容詞の強弱をつける

形容詞の訳し方は気を使う必要があります。状況から考えて強さを調節しなければいけません。
今回のPoorは、「まずい」というより→「かなりヤバイ」くらいに強く訳すほうが適切でした。

1 Jesus Christ!のような言葉の訳し方

定番のクソ!ばっかり使わない。場面に合わせて適宜変えていく。私は場面から、苛立ちを出そうと「しょうがないなあ」としましたが、先生はもっとあっさり「わかりました」としていました。まだまだ私は原文に引きずられています。

3 直訳すると変に目立つところはあっさり訳す

先生のお話によると、上手い作者は描写も抑え気味。訳者はその意図を汲んでくどくならないように訳すべし。とのことでした。訳しづらくても、変に目立ってしまわないように気をつけて訳しましょう。

4 中学で覚えた定義だけで対応しない

botherというと自動的に「苛立たせる」といった意味を思い浮かべてしまいますが、いろんなアレンジができるはず。dosent that bother you?なら「おかしいと思わないか?」「納得されてますか?」といった訳も思いつくように柔軟な発想を心がけること。

5 日本ではなじみのない言葉などは文中で上手く説明すること。

  例えば、婚前契約書などは外国ではよくあるようですが、日本ではなじみがないので結婚前の合意と言ったぐあいに、言い換えて説明するほうが親切とのことでした。

6 数字を確認

  凡ミスですが、ケタを間違えてしまうことがあります。よく確認すること。

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3年経過したのでひとまず振り返ってみる

翻訳学校に通い始めて3年が経ちました。今年の4月から4年目です。4月、5月は引越の余韻でばたばたしていましたが、ようやくちょっとおちついてきたので、ここで少し振り返ってみます。3年経って、何の見通しも見えてこないようだったらやめるつもりでいたので、ここは整理のしどころです。

とにかく、一言で言って、通って良かったと思っています。先生からも生徒さんたちからもたくさん刺激をもらいました。おかげで一人でやっていたときより格段に進歩したと思います。

(進歩したところ)

辞書なしでも大人向けの洋書(ものによりますが)が読めるようになってきたこと。

ガチガチの直訳から離れられるようになってきたこと。

目の前の一文ではなく、全体でとらえようという意識が出来てきたこと。

アメリアの定例トライアルでAをとることができるようになってきたこと。

読書の習慣ができたこと。

精神的に前向きになったこと

(まだまだなところ)

1 ツメがあまいところ (雰囲気で訳してしまう)

2 調べ物があまいところ

3 読みがあまいところ(想像力を働かせてよく考えること)

4 洋書を読むスピードが遅いこと

5 長い文を訳すと息切れしてしまうこと(集中力が続かない)

6 語彙がまだまだ少ない

7 誤訳がなくならない

(今後の目標)

上に挙げた、(まだまだなところ)を改善していくつもり。

具体的には、しばらくはトライアルを控え、授業の課題に集中して、穴がないように訳すこと。

読むスピードのアップにはある程度の単語力が必要なので、英語の語彙をふやすこと。

忙しくとも一日10ページ以上は洋書を読むこと。(まずは辞書なしで)

少しずつ増やして、一日20頁までもっていくこと。

読んだ後は読みっぱなしにせず、単語などの使い方を調べて自分のものにしていくこと。

文法に注意を向けるためライティングにも挑戦すること。→英文日記に挑戦してみようかなと思っています。

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前々回の反省

1 重要な情報まで省略しない
fictional chronology 直訳だと「虚偽の時系列」ですが、どうしても座りがが悪い感じがして、「時系列」を無視し、「でっちあげた証言」としてしまいました。同じように感じた生徒さんも多かったらしく、時系列を落とした訳が多かったようです。しかし、重要な情報まで落としてはまずい、と言う気もちもあり、自分では納得できていませんでした。先生は「でっち上げた話の時系列には大きなズレが」としていましたなるほど、「話の」をいれるだけで座りもよくなっています。

2 矛盾する表現にならないように 
 breathlessly,he shot out of the bathroom.
「息が止まりそうになりながらと」すると動きが止まってしまい、勢いのある「飛び出した」という表現にはあわない感じになります。読者にあれ?っと違和感を感じさせない表現をこころがけましょう。ちなみに私は「息をはずませ」としましたが、何故弾んでいるのか、それでおかしくないのかまで、良く考えるべきでした。

3 一人称的に訳して、長い一文を区切って訳す
原文はカンマをつかったり関係代名詞を使ったりして、かなり長い文章で、そのまま訳すとどう工夫しても冗長でした。一人称で訳せばすっきり解決。説明文ではなく台詞調になるので、好きに区切れます。

4 副詞でも文の外に出して台詞っぽく訳せる。
his wife remained safely lost at sea.
妻を海に突き落とした旦那が、まだ妻が見つかっていないことを知ってホッとしたシーン。
safelyに困りました。私はおもしろみのある表現だと思ったのでそのまま「妻は今のところ無事、大海を彷徨っている」としましたが、自分で面白いと思っても、読者は違和感を感じるかも知れないと言うことを常に頭に置いて、誤解を招くような表現は避けなければいけません。
先生の訳は「よかった。女房はまだ海の中だ」でした。さすが。safelyを文の外に出し、上手く処理されています。そうかー。外に出せば良かったんだー。情けないことに思いつきもしませんでした。

5 不自然なときは、自然になるまでひねりつづけましょう。投げ出さず、きちんと最後まで面倒見ること。
一人称の台詞調で訳しているときは、特に、固く直訳調になると不自然。自然になるまで砕き続けましょう。

6 辞書にとらわれない。
 he said stoicaly. stoicalyの訳出に悩みました。禁欲的に??言った?? あまりにも不自然です。何度も書いていますが、辞書にある訳語では役不足なことが多い。文脈にあわせて作り出す勇気が必要です。先生の訳は「きっぱりと言った」今回は私もさすがに辞書の訳語をそのまま使ったりはしませんでしたが、文脈にあっていたかはあやしいところ。「当然とばかりに言った」としました。
  

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