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師走といいますが

師走といっても私の職場では先生(弁護士)が走らず、われわれ事務員が走り回っています。また、今年の悪質な風邪に事務員一人がやられてしまい、忙しさに拍車が・・・・・・。ひっきりなしに頼まれる仕事と電話対応などで、お手洗いに立つのも困難な状況。づがれた~。ようやくうちに帰って、食事の支度をし、片付けもすべて終えて、さて、原書を読もうかと手にとると、一行も進まないまま、バタン・きゅー。いかん、いかん、こんなことでは。でも、明日行けば仕事も終わり。ようやく集中してとりかかれそうです。

原書はあと少しで読み終わりそうです。本が手元に来てから2週間程度。普段てれてれ読んでいるときよりは早いペースですが、もうちょっと早くよめてもよさそう。かなりダークな内容に、読み進めるごとにペースが落ちてきてしまいました。少なくてもご飯食べてる時には読みたくない感じ。これ訳すのかと思うと、ちょっと息苦しい気も・・・・・・。

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うれしいけど、プレッシャーがー

翻訳クラスの先生から、今度出す本の下訳やってみないかというお話しを頂きました。下訳をやらせてもらえる方といったら、私にはとても手が届かないほど上手な方ばかりでしたし、まだまだ私にはとても無理だよなーとうらやましく拝見していたところでしたので、しばらくはうれしさのあまり浮かれてました。ですが、今はじわじわと不安が・・・・・・。はたして私に務まるのか。無事最後まで訳し通せるのか。緊張のあまり、時々、何だか気持ち悪くなってしまうほどです。

だって、ホントに今まで、翻訳学校の課題(2頁弱)とか、定例トライアル(A4一枚程度)の短い翻訳しかやったことがないのです。時間だってかけまくってましたし。ああ、沢山速く訳す練習をもっと早くからしておけばよかった・・・・・・。

これからしばらくは、そっちの方でいっぱいいっぱいになってしまいそうです。ブログの更新も滞りがちになるかと思いますが、ときどきは、ガス抜きに来ようと思います。

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池袋ウェストゲートバーク 骨音 石田衣良著

シリーズ第3弾。相変わらず巧みなストーリーテラーぶり。舞台は、ヤクザやチーマーたちが魑魅魍魎のごとく跋扈するダウンタウン、池袋。登場人物はみな聖人君主にはほど遠い、一癖もふた癖もある若者達。そして、ストーリーにしても、ホームレス襲撃事件、麻薬問題など、現代社会の抱える闇を描いているのに、なぜか、一貫して品のようなものが漂っている。時折、ハッとするほど美しい比喩が入るので、読んでいて幸せな気分になる。
 主人公は池袋の駅前で、果物屋の店番をする青年、マコト。池袋に育ったマコトにとって、ブクロは庭のようなもの。毎日あくことなくブクロを歩き回り、どんな小さな変化も見逃さない。何処よりもブクロを愛すマコトは、池袋で起こる厄介ごとを見過ごすことは出来ない。池袋の平和を守るため、今日もマコトは、果物屋稼業の傍ら、ストーリー探偵として活躍している。

「骨音」
『この世でいちばん速い音はなんだろうか。』この物語はそんな書き出しで始まる。当然引き込まれる。語り口がとても巧妙で、読者の興味を惹かずにはおかない。
 マコトがその音を聞いたのは、池袋で売り出し中の、とあるバンドのライブ。その速い音はライブハウス中の人間を、熱狂の渦に巻き込んだ。だがその時のマコトは、その速い音と、池袋のホームレス達から依頼された、ホームレス連続襲撃事件に関わりがあるとは夢にも思わなかった……。

「西一番街テイクアウト」
 マコトは、夜、店番から開放された後、サンシャイン60の噴水広場で本を読む。そこで知り合ったやせっぽっち少女は、いつも一人きりで、やはり本を読んでいた。気に入ったBGMが流れるたび、本を置いて踊る風変わりな少女。物語はそんな少女が、突然目の前で倒れるところから始まる。少女を連れ帰って介抱する羽目になるマコト。少女を引き取りに現れたのは理想的な母親像からはかけ離れたぶっとび女。グラマーな体つき、明らかに水商売風の服装、そして、顔には殴られたような痣がいくつも。この風変わりな親子が抱える問題とは?ホットケナイ、マコトまたもやトラブルの渦へと飛び込んでいく。

「キミドリの神様」
最近コミュニティーで使われるようになった地域通貨をテーマにしている。池袋で誕生した地域通貨「ポンド」は、多くの人々の信頼に支えられ、その価値が鰻上りに上がっていた。そんなとき、マコトはボンドを発行しているボランティア団体からボンド偽造犯を捕まえて欲しいと依頼される。人の善意で善意を買う、信頼に基づいた通貨。芽吹いたばかりの池袋の善意を、ひねりつぶすようなまねは、決して許すことはできない。ブクロを愛するマコトは犯人探しに奮闘する。

読んでいて、そもそも、お金ってなんなんだろう、そんな素朴な疑問が湧き上がってくる。このテーマを取り上げるという発想自体が凄いと思う。

「西口ミッドサマー狂乱」
若者たちが手に入れようと血眼になっている緑のクスリ、「スネークバイト」。その尾に咬み付けば、体中の感覚が剃刀のように冴え渡り、宇宙の極彩色の秘密が手に入るという。
若者達の間ではびこるドラッグ問題を、偏見を持たないマコトの目を通して、ニュートラルに描く。

「世の中は変わらないけど、クスリは一発で自分が簡単に変わるから」そんなエディの言葉が、常習者の心の奥底をあぶりだしている。

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ハリーポッター6(half-blood prince)が読み終わりました

今頃ですが、ハリーポッターの最新刊を読み終わりました。652頁もあるとほとんど辞書ですね。通勤電車の中で、かばんから取り出すのが結構恥ずかしかったです。翻訳学校の課題の本も併読していましたし、重いので持ち歩かない日もあったので、2ヶ月半くらいかかりました。

しかし、前巻もダークな内容でしたが、ますます暗さに磨きがかかっています。お願いだから、もう誰も殺さないでくれー。しかも、死に方がちょっと、やりきれないし。後味の悪さに、夢にまで見てしまいました。ローマ法王が批判めいたコメントを出したのも分からないではありません。醜いものはすべて子どもの目に触れさせないなんていうのは、それこそ子どもだましだと思います。でも、電車でたまたま隣に座ったランドセルしょった男の子が、夢中になってハリーポッターシリーズを読んでいたのを思い出すと、あの子がこのまま読み進めてこの巻まで読むのかと思うと、どうなのかなあーとも思ってしまいます。

とはいえ、やはりいつもどおり、ラストの方は筆の勢いがあって、いっきに読んでしまいました。おかげで毎日寝不足気味でした。しばらく前に、一日10ページは読むというささやかな目標を立てていましたが、終わりのほうは何だかんだで一日40ページくらいは読んでいたようです。仕事と家事と翻訳の勉強で、なかなか時間がとれないし、20ページ以上は無理かもと思っていましたが、やろうと思えばなんとかなるものですね。速く読みたければ、やっぱり好きな分野の本を読むのが一番だなーと痛感しました。でも、これでしばらくはハリーポッターともお別れ。寂しくなりそうです。次は何読もうかなー。

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前々回の反省

お当番でした。最近は人数が減ったせいか回ってくるのが早いような気がします。
それにしても、いつも同じような反省をくり返しているような。でも、自分なりに工夫した箇所をほめて頂けたりしたので、励みになりましたー。

1 適切な訳語を選ぶ
alleyを路地と訳してしまいました、路地だとかなり狭そうなイメージがあります。今回の場合、このalleyには車が入ってきています。路地に車はちょっと無理がありました。

2 事実の確認
歴史的な事実などが出てくる場合は、きちんと事実確認すること。「レーガンとカーターが選挙戦でdead heatを繰り広げる」というような一文が出てきたのですが、私は辞書の定義だけ見て、デッドヒートを「好勝負 引き分け」と訳してしまいました。この選挙戦については調べたつもりでしたが、調べただけで満足してしまっていたのかも。訳文に生かせなければ意味はありません。つねに疑問を持たなければ。選挙直前までカーターの方が圧倒的に有利だったので、引き分けという訳はありえませんでした。

3 日本人になじみのない事柄
アメリカ人なら常識でも、日本人にとっては聞き慣れない事件などについては、補足情報を補って訳しましょう(訳注に頼らず文中に入れ込むこと)。つい、忘れてしまうんですよね。

4 時間をおいて見直すこと
 やっぱり少し寝かせないとだめですねー。狭い裏道に車が入ってきて逃げ場がないというシーン。逃げ場がないので「待ち構えるのみ」というような訳をつけてしまいましたが、「待つしかない」と訳すべき所。妙にやる気満々なかんじになってしまっています。時間をおいて冷静に見てみると明らかに変。

5 カンマ一つでも見逃さないこと
 カンマではありませんでしたがクウォーテーションマークを見逃しました。主人公の感想かと思って訳してしまいましたが、実はよく見ると引用符が。別の人物の台詞が引用されていました。そもそも、それが主人公の口調ではないことに気づかないのはまずいよなー。

6 冷ややかに?
学生時代に習った受験英語では、主語も述語もきちんとあって文法的に綺麗なものしか出てきませんでしたが、小説にはいろんな文章が出てきます。省略が多くてどうにでも取れてしまう場合も少なくありません。つねに全体の流れを見ておかないととんでもない誤訳になりかねません。今回は、he turned back-cold.冷ややかに振り返ったとしてしまいましたが、このcoldは嫌な予感で血の気がひいたとするほうが今回の場合流れにあっていますし、小説として効果的です。

7 深い意味がないと判断したら、さらりと描写風にやくすこと。
 人のしぐさとか、物の動きといった訳に意外と悩まされることがあります。車が一旦止まってブレーキライトを付けながら角を曲がるというシーンがありましたが、訳しかたによっては妙に意味ありげになってしまいます(合図でも送っているのかと思われかねません)。深い意味がない単なる描写なら、それらしくさらりと流して訳すこと。誤解を招くような意味を持たせない。

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