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黄金を抱いて翔べ 高村薫著

銀行の地下室から金塊を盗みだそうとする男達を描いた物語。そういってしまうと単なる犯罪小説のようだが、欲望に駆られて犯罪を犯すというよりは、むしろ自分の生きる道を探して修行でもしているような、どこか禁欲的で求道的な空気が漂う。

背景の描写が精緻で、リアリティがある。いつもながら、とても女性が書いたものとは思えない、甘さをそぎ落とした硬質な文体。(昔、北村薫と混同していて、性別をも逆だと思っていました。北村薫さんのほうは逆にとても男性が書いているとは思えない、柔らかな筆致です)一歩引いたクールな文体で、感情描写等は少ない。それでいてあれだけ雰囲気のある人物を描き出せるのは、やはり文章力の賜物だろうか。

(翻訳の勉強にもなりそう。細かな舞台背景などは軽く流し読みすることが多かったのですが、そういう描写を訳すのが苦手なことに気がついたので、丁寧に読んでみました。)

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