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やったー!ほめられたー

昨日はお当番でした。はじめ、既訳とほぼ変わらない訳が出来上がってしまい、これじゃ何のために訳し直すんだかわからないぞーと、時間をかけて、とにかく砕きまくりました。それがよかったのか、先生に、分かり易いとお褒めの言葉をいただけました。やったー。気持ちが悪くなるくらい訳文をいじった甲斐がありました。

既に訳書を出しているクラスの先輩からも褒めてもらえました。「でも相当時間かけちゃってるんですよ」と言ったら、とりあえずその思考の流れを作ることが大事で、時間の短縮はそれから考えればいいんだよとアドバイスももらえました。

新人さん(といっても既に訳書を出されているかたですが)には、ちょっと感動しましたとまでいってもらえて、なんだか照れてしまいました。えへへー。いやあ、そこまで大層なものじゃないんですが。既訳があるので、英語を読みちがえる可能性はほとんどないですし。たまたまやってみようと思った訳し方の方向性が当ったようなもんで。いわばまぐれ当たりです。

それにしても、こんなに褒めてもらえるなんて(このクラスに入ってはじめてのことかも)、天変地異でも起こるんじゃないだろうかと心配です。ひょっとしたら昨日が人生のピークだったりして(それはちょっとさみしい・・・・・・)。大人になると褒められることもあまりなくなるので、なんだか幸せな気分です。せめて週末までは復習せずにこの幸せ気分に浸っていよう。復習すると、いやおうなしに現実に引き戻されてしまうので。

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翻訳のおとも

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去年の九月ごろから使っている、おきにいりのエスプレッソマシーンです。辞書のように翻訳に直接役立つというわけではありませんが、影で大いに支えてくれています。ボタンを押すだけで、豆から挽いた薫り高いエスプレッソが出来上がります。豆を挽く音が少しうるさいのが難点ですが、ボタンひとつの手軽さと、出来たエスプレッソの味はやみつきになります。これを使い始めるまではどちらかというと紅茶派だったのですが、すっかりコーヒー派になってしまいました。コーヒーを飲むと心なしか頭が冴える気がするので、翻訳をするときは、儀式のように入れて飲んでいます。

翻訳といえば、次の授業はお当番。しかも、またもや新しい課題の初回。ああ、プレッシャー。さらに、アガサクリスティーの子ども向けの翻訳ということで、今までとはちょっと勝手が違います。小学校高学年から、中学生対象という事でしたが、中学の時、わたしのまわりではみんなふつうに、大人向けのアガサクリスティを読んでいた気がします。先生のおっしゃるとおり、そんなに子ども子どもした表現にする必要はなさそうですが、久しぶりに訳書を読んだら、やっぱり少し古めかしい表現もあるようです。(結構そういうのも好きですが。)それにしても、昔好きで読みあさっていたシリーズを、授業の課題とはいえ、自分で訳せるのは幸せ。楽しいものですね。(授業当日は、この幸せ気分も吹っとぶことになるのでしょうが)

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自分の訳文と向き合って思うこと

最近、自分の訳文を見つめていて、つくづく思うのは、結局自分からは逃げられないんだなーということ。優柔不断だったり、大雑把だったり、めんどくさがりだったり、細かいところに気が回らなかったり、ちょっとぬけてたり…なんていう、ふだんの自分が、びっくりするくらい訳文に現れています。まるで鏡を突きつけられているようです。職場でも、おなじような自分の欠点が、日々、数々の失敗を招いてくれていますが、舞台が変わってもやっぱり同じ自分に向き合う羽目になるんだなー。最近年のせいか、自分の欠点にもだいぶ甘くなってきてはいたのですが(そのほうが生きていく上で楽なんですよね)、訳文にも現れてくるようでは、やはり、なんとかせねばなりませんね。普段の生活の仕方から心がけを変えていったほうがいいのかも。やっぱり、「翻訳は人生」だったのか・・・。

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前回の復習

今回は、文の流れに気をとられて細部がおろそかになっていました。どれも意識にはのぼっていたのに、最後の最後で「まあ、いっか」と投げてしまった気がします。当番じゃないからと言って諦めが早すぎます。違和感があったら、放置しないでとことん突き詰めて考えること。また、今回はきっちりめに訳すことを念頭に置いたつもりでしたが、まだまだ……。暴走しがちな私の場合、自分にとって硬すぎるくらいで訳すとちょうどいいのかも。
それにしても、いつになったら反省しないですむ日が来るのでしょうか?

1 原文の語調を弱めるべきか?原文を生かすべきか?
 初回の時、barkなどの「強すぎる英語」に引きずられないという反省をしました。今回はしっかり意識していたのですが、強い英語に引きずられてはいけない場面なのか、その強さを生かすべき場面なのか、区別できませんでした。初めは語調を弱めて訳していたのですが、自分なりに理由を考えた上で、生かすべきと判断し、すべて玉砕。("coat tossed over his arm"は、コートを引っかけるようにして、とるものもとりあえず、ホテルから逃げていく感じを表わしているのかと…。"slap a quarter into his hand."は、投げあげた硬貨をその勢いで「叩きつけた」のかと…「押しつける」だと勢いがでない気がしちゃって)
うーん、考えすぎてるのか?もしかして、根本的に文章が読めてないってことなのか?へこむなあ。
とりあえず、わからないときは抑えめで行ったほうが無難そう。少なくとも、そこだけ浮きあがることはないでしょう。

2 並列 形のそろえ方
並列がある!表現をそろえなきゃ、と思ったまでは良かったのですが、処理がへたくそでした。見当違いなところでがんばっちゃってるし。
人物を形容する文章が、延々と並列されているパラグラフだったのですが、形容詞があったり動詞があったりしてうまく形が揃えられませんでした。安易に邪魔な動詞を外にはじき出すことで解決しようとしてしまったのですが、並列の形が崩れ、効果が薄まってしまいました。「ぎこちなく歩く」ではなく、「歩き方はぎこちない」、「のめりがちに歩く」ではなく、「背中はまるまり」という様に、無生物主語の形をとれば、全部形容詞的に訳せたはず。また、並列の場合は、順番を入れかえても問題ないので、自然になるよういろいろ試して粘ること。

     
3 似たような表現を続けない
 "his face was white"を「青白く」と"his face had a greenish pallor"「青ざめている」と青がかぶる表現で訳してしまいました。
 あれ、なんか似たような表現になっちゃったなと思いつつ、でも、別人のことだしぃー、一方は青だけじゃなくて白もはいってるしぃー、いいよねー(←ぜんぜん、よくない!)とあっさり流してしまいました。別人だからこそ同じ表現にしてしまうと心理状態も同じであるような誤った印象を読者に与えてしまいます。原文も表現をかえている以上、訳すときも気を使うべき。ほんと、我ながら大雑把な性格だなー。

4 その場に最適な訳語を 柔らかい頭で
desk=「机」的な安易な発想はやめること。deskは状況によっていろんな訳があるはず。ホテルのフロントにあるならカウンターが自然。しっかり細部までこだわる。それから"brass-edged door"「真鍮縁のドア」と、最初はやってみたものの、なんだか、メガネの話しでもしているみたいなのがいやで、結局「縁がついた」としましたが、どうしても違和感は拭いきれませんでした。先生の訳を見て、自分が何に違和感を感じていたのかようやく判明(情けない…)。そう、「縁」っていうのはどちらかというと薄っぺらなものにつくもので(お皿の縁とか、めがねの縁とか)、扉のような大きなものにつけると変な感じになっちゃうんですよね。先生は「枠」にされていました。ああ、もう、どうして思いつけないんだろう。またしても辞書の呪縛から逃れられませんでした…。

5 省略文のときは、何が省略されているのか、しっかり想像する 思い込まない。
 ホテルの警備員が、騒いでいた客を追い出す(まだ泊まってもいないのにチェックアウトさせてしまいます)シーンで、フロント係に向かって、「このひと、チェックアウトするから精算してくれ」というようなことを言うのですが、それに対してフロント係が"I-I don't think -"と口ごもります。追い出される男は"O.K.I thought not"と言って立ち去ります。

省略されているものは文の前後で判断するしかありませんが、思い込みはだめ。I don't thinkの後に省略されているのはhe's checking out だとばかり思い込んでしまいました(来たばかりなのにチェックアウトなんて!ということかと)。だとしたら、次の男の台詞も"I thought 《I am》 not《 checking out》"ということになってしまい、文の流れが完全に破綻してしまいます。
両方省略文だったのに、片方だけ補って満足してしまった。完全に手抜きです。学生時代からの苦手意識も手伝って、頭が考えるのを拒否してしまっていたようです。

6 今回唯一の白星。だけど、つめが…。
"I'm sorry for you, I mean sorry." ホテルの部屋で騒いで、警備員に叩き出される男が、出て行くときに警備員に向かって言ったことばです。最初、私も勘違いして、謝っているという方向で訳していました。でも、for you っていうのが変だし、文の流れからみたらどうしても違う。次の文章で「警備員は表情も変えず男を見た」とあり、男が謝ってしまうと、その文がいまひとつ生きてこない。捨て台詞であると考えれば、生きてきます。ただ、そのまま直訳しただけでは、捨て台詞とは分かりづらかったので、意訳と思いつつも思いきって「気の毒にな、ただじゃすまないぜ」とやってみました。その処理は、OKだったようです。そこまではいいのですが、詰めが甘かった。最初謝っている方向で訳していたので、その周辺の形容詞などもその方向だったのですが、なんとか訳せたことですっか舞い上がってしまい、周辺部分を直すのを忘れていました。最後まで気を抜かないこと!

7 課題のところだけで考えない。
当たり前なんですが、それまでの筋を忘れないこと。前回銃をベットの下に叩き落としていたのをど忘れしていました。ベットの下に銃があってびっくり!みたいな訳にしてしまいました。(かっこいいはずの主人公がすっかりおとぼけキャラに・・・)

8 一人称的に
 三人称主語の主人公が、「考え」ている時は、現在形を使って一人称的に訳す、でほぼ間違いないんだろうという認識でいたのですが、「行動」している時はどうなのかよくわかっていませんでした。ひとりで行動している時はやはり、現在形を使って一人称的に訳すのがよいようです。そうだったのかー。今度から迷わないですみそうです。

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フェルメール展に行ってきました

Dsc00163 フェルメール展に行ってきました。フェルメールは、見ているだけでこちらまで浄化されそうな、あの比類なき透明感がたまりません。
作品数が本当に少ないので、フェルメール展と銘打っていても、たいていフェルメールの作品は一点しか入っていないのですが、それでも行く価値は間違いなくあります。
今回のメインは「牛乳を注ぐ女」。
よかったです。
「画家のアトリエ」は、何者も立ち入ることのできないような、神聖で完成した空間でしたが、それとはまた違います。あふれ出してくるような幸福感。充実感。豊穣感。なんだか目に熱いものがこみ上げてきてしまいました。
見た直後は興奮冷めやらず、休憩室で(国立新美術館には、鑑賞ルートの途中に、独立した休憩室が配置されています。「牛乳を注ぐ女」が展示されているすぐそば、というベストな配置でした)、友人と二人、ぽつりぽつりと、浮かんでくるイメージを交換し合いました。この友人と美術館に来るときはいつもこんな感じです。話していると、自分の捉えたイメージが、正しく受けとめられているという、確かな手ごたえがあります。そして、互いに交換し合っているうちに、自分の奥からさらに深いイメージがくみ上げられてくるのを感じます。
いろいろな話をしました。昔一緒に見たミレーの話。ミレーを模写したゴッポの絵の話。このブログでも以前書きましたが、ミレーの絵に、暖炉の前で夜の祈りを捧げる貧しい農家の家族の絵があります。それを、ゴッホが模写した絵がとても印象的だったんです。とても模写とは思えない、タッチも色も全く違う絵になっていました。模写というのが外見を真似てそっくり書き写すというものだとすれば、模写ではありません。でも、不思議なことに、受けるイメージが一緒なんです。ミレーの描く絵は色調も暗く、描く対象も貧しい農家の人々ばかりで、決して華やかな絵ではないのですが、神々しいような輝きを放っています。ゴッホの描いた模写は、元の絵の暗い色調からはとても思いもよらないような、まばゆい光に溢れたものでした。ミレーの絵が持っている本質的なイメージをつかみとったんですね。一枚の絵に触発されて、そんな話から人生論までどんどん話が発展。まだ鑑賞している途中だったというのに、結局二時間もそこで休憩してしまいました。時間切れでほかの絵は流し見になってしまいましたが、大満足。充実した一日でした。

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前回の反省

前回は仕事が押してしまい、授業にだいぶ遅れてしまいました。気になっていたところを聞き逃してしまった。残念。翌日申し立てたい訴訟は、もうちょっとだけ早く書類を渡してねー。先生。

1 まとめすぎ
 下訳の復習のときなど、先生の訳文を見ていると、そのまま訳すと冗長になってしまう文章をコンパクトにまとめておられます。見習いたいと頑張っているのですが、見当違いのところで、しかもやりすぎてしまっているようです。自分でもやり過ぎかなーと思いつつも、どのくらいまでなら許されるのか、今は手探りしている状況です。今回はあきらかに×。原文が細かく動作を描写しているのに、Aという動作とBという動作を足したら、Cという動作になるよね、と勝手に解釈し、Cという動作で訳してしまいました。原文から離れすぎると、原文の味を消すことになってしまいます。今回は、スピード感を出したかったのと、どこまでやっていいのか探る意味もあって、あえて数箇所でやってみましたが、やめておいたほうがいいようです。

2 目線
 THe blow looked light, 直訳だと、「その一撃は軽く見えたが」。その後に、殴られた相手は部屋の端まで飛ばされたというような文章が続きます。この作品は、三人称主語なので、「見えたが」としてしまうと、誰の目線なんだ?(神様目線?)という感じになってしまうのが気になり、悩んだところでした。皆さんも、同じように感じられたようです。わたしは、「見えたが」ははずして「軽く当たっただけで」とちょっとずらして訳しましたが、そうか、主人公目線にしておけばよかったのか。三人称主語でも主人公がいる場合、主人公目線で一人称的に訳す場面が多いのですが、ここもそうしておけばよかったようです。先生は「加減をしたつもりだったが」。その後も、殴った相手は、「部屋の『向こう』までよろめいて『いった』」という具合に、視点を主人公に定めて、ぶれのない訳をされていました。

3 欲を抑える。
 パンチの威力を表わす文章だったので、殴られたら、「よろめいた」より、「吹っ飛ばされた」の方が強そうでいいよね、思ってしまいました。作者を無視しない。自分の欲は抑えること。

4 辞書にひっぱられない

 倒れた男の手はスーツケースの中に”drape”していたというシーン。drapeを辞書でひくと「だらりと下げる」という定義がみつかります。日本語のドレープのイメージもそんな感じですし、男が殴られて床にへたり込んだ状態だったということもあり、あまり違和感を感じることなくそう訳してしまったのですが、後ろの文とうまくかみ合うように調整して訳すべきでした。その後スーツケースから出てきた手には拳銃が握られていました。男はどちらかというと意図的にスーツケースに手をいれたと考える方が自然です。自分でもそう考えていたはずなのに、辞書に引っ張られてしまいました。「だらりと下がっている」と訳すと偶然手がスーツケースに入ってしまったという感じが強くなってしまい、後ろの流れとあわなくなります。調整してもう少し意図的なニュアンスがでる訳(「突っこむ」など)をつけるべきところでした。

5 ひねくりすぎ
 銃をかまえた男に向かって、主人公が"If you want trouble, I come from where they make it"というと、男は"Make some with this"といって銃を撃ちます。主人公の台詞の方は「トラブルを起こしたいなら、こっちのほうが専門家(本家本元とか)だ」と言う感じだとは思ったのですが、「専門家」と言うことは、「トラブルをたくさん扱っている」→「売るほどある」→「間に合っている」という具合にひねっていって、結局、「けんかを売りたいのか、あいにく間に合っているんだがな」というふうに訳しました。"Make some with this"のほうも、「じゃあこいつはどうだ」という感じだとは思いつつも、「間に合ってるんだがな」に呼応させて、「まあそう言うなよ(「そういわずにこれでもくらえ」の変形、のつもり)」と、かなり意訳してしまいました。ちょっとひねくりすぎたかも。時間があるといろいろいじくりまわしてしまいます。もっと短い時間で訳してみたほうがいいかもしれません。

6 時間差

 The bureau mirror splintered and glass flew. A sliver cut his cheek like a razor blade.そのまま訳せば「鏡が割れ、ガラスが飛び散る。破片が剃刀の刃のように頬を切った」となりますが、「ガラスが飛び散る」で、いったん動きが完了している感があるので、そのあと「破片が~」と続けると、なんだか、いったん飛び散って床に落ちたガラスの破片が、フィルムの巻き戻しみたいに、もう一度空中に舞い上がって頬を切ったようで、ちょっと違和感がありました。皆さん同じように感じられたとみえて、いろいろな処理をされていました。わたしは、完了感のつよい「散り」を取って、連続した動きに見えるように二つの文をひとつにつなげ、違和感の軽減を計りましたが、まだちょっともたつきが残っていました。先生の訳を見て、そういう手もあったのかと納得。後半部分を、「破片が頬を切る」のような動きの訳ではなく、切った後の状態の訳、「(剃刀の刃で切ったような)傷ができる」とされていました。これなら完了感の強い前半の文章「ガラスが飛び散る」の後に来ても違和感がありません。なるほどー。

7 細部まで気を配る
 自分でも微妙に違和感を感じつつ、「拳銃を(相手の手から)払い落とす」としてしまいましたが、先生は「はたき落とす」。払い落とすだと、埃か何かのようです。違和感を感じたら、最後まで妥協しないで訳すこと。
  
8 アクションのシーン 
  喧嘩のようなアクションシーンでは、現在形を多用して臨場感を出すとよいとのお話しでした。また、もたつかないように主語を主人公に定めて一人称的に訳すのもポイントです。そこで、試しに、主人公を主語にして、相手のほうは全く主語に立てない(無生物主語を使ったりして処理する)訳文もつくってみました。ちょっと不自然でした。主人公目線を常に意識しつつ(一人称的に なるべく主語を出さないようにして)、不自然にならない程度に相手も主語に立てる(少なめに)のが良さそうです。

9 なにが主情報か
  流れを見失わないこと。二文になっていた原文を、スピード感をだすため一文にして訳しましたが、そのために、文の関係が不鮮明になってしまいました。「相手のパンチを受けたが、相手の髪から『手を離さなかった』」というのが肝の文章でしたが、次の文とつなげて「相手のパンチを受けたが、笑って相手の髪をねじり上げた」というような訳にしてしまい、肝心の肝が良く分からなくなってしまいました。文章の因果関係もねじれてしまっています。肝が明確になるように訳すこと。文章が切れているのは切れているなりの意味がある場合もあるので要注意。  

10 語順 分詞構文 
 よくやってしまうのですが、"he went down on his knees yowling." のような分詞構文(だったっけ?)のときに、何も考えずに原文の語順のまま「膝をつき、うめき声をあげた」のように訳してしまいます。ここでは、明らかに逆の方が順番として自然。自然な順番に並べ替えてやくすこと。   

11 しつこい訳
  「(相手に)タオルを『投げ』、スーツケースをベットの上に『放り』、荷物をなかに『投げ』こんでいった。」というようなしつこい訳をしてしまいました。原文の強さにひきずられています。勢いをだしたいのだとしても、ひとつで充分に伝わります。似たような訳語を続けないデリカシーも忘れないこと。

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椅子が来た!

机に引き続き、椅子も買ってしまいました。
かえるさんおすすめの椅子、オカムラのコンテッサ、伯爵婦人様です(ご紹介ありがとうございました!)。今まで、硬い木の折り畳み椅子に座ってきたので、自分の中のハードルは相当低いはずですし、最初は、一万円くらいのやつで充分だと思ってました。でも、いったん買ったらそうそう買い換えるものでもないし、どうせ買うなら良いものをという気分にだんだんなってきてしまって・・・。そんな時、タイミングよくネットオークションで安くなっているのを見つけ、即落札。

椅子が来るまでは、プロにもなっていないのに分不相応だったかな?と、ちょっと後悔してましたが、いざ来てみたら、そんな後悔は吹き飛んでしまいました。

座ってみて、今までいろんなところに力が入っちゃってたんだなーということに気づきました。余計な力が抜けて、心底リラックスできます。
ビジネス用の高機能椅子って、もっと、「仕事しろ!」ってお尻をたたいてくるような、ビシッとした座り心地なのかと思っていたのですが、まるで誰かに抱っこしてもらっているようなふんわりした感じ。意外でしたが、本当に効率よく仕事するには、こんな風にリラックスしたほうがいいってことなんだろうなー。今、家の中で一番くつろげる場所かも。この椅子に座る時間が楽しみで、毎日いそいそと、家事を片付けています。机に向かう時間が格段に増えました。この勢いで翻訳力もアップすると良いのですが。
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前回の飲み会

前回の授業には、クラスの出身で、現役文芸翻訳家のお二人が参加して下さったので、飲み会もとっても華やかになりました。お一人は、フェローの講師をされていたこともあり、アガサクリスティーの新訳も手がけられています。もうお一人は、007や、映画化も決まっている大作ファンタジーの翻訳を手がけられたりしていて、おふたりとも先輩と言うよりは、先生に近いくらい、わたしにとっては雲の上の存在。しかも、どちらも美人。いいなあ、才色兼備。天はあっさり二物を与えるのねー。
とても好奇心旺盛な方々で、次々新しいことにチャレンジされています。「やりたいことが多すぎて時間が足りないって感じ」とのお言葉に、わたしともう一人のクラスメイトとで、思わず、「カッコイイー」とハモってしまいました。翻訳とは関係ないけど、執事喫茶の話、面白かったなあ(メイド喫茶の女性用バージョンだそうです。執事の格好をした渋いおじさまに、「お嬢様、乗馬のお時間が・・・」とか言われるらしい。)。わたしも一度行ってみたい(一度でいいけど)。面白かったので翌日職場で話したら、じゃあ、弁護士事務員喫茶ってのはどうだろうなんてバカ話で盛り上がりました。弁護士気分を味わいたいマニアには受けるかも。「おかえりなさい、先生」「先生、裁判所からお電話です」とか言っちゃって(いつも言ってますが)。みんなで副業でやろっかーと、悪乗りしてましたが、まず、スタッフを若いのに変えろってクレームがつくだろうなー。

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