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ようやく、ひとごこち。(リーディング反省)

病気再発が発覚してから、ゆっくり病人気分に浸る間もなく、H書房の短篇、リーディングが続き、嵐のような1か月半でしたが、ようやくこれでひと段落。ゼミのほうもエルロイが課題になり、面白そうなのになかなか手をつけられないのが歯がゆかったけど(・・・なんて、半分言い訳ができてほっとしてたかも・・・とにかく難しいからねー)、これで本腰入れられるわー。勉強会の課題も猛ダッシュでやらなければ。今回のお題はMy Sister's Keeperから。柔らかめのヤングアダルトだと思ってたら意外と難しい。でも、何事も修行、いろんなタイプの小説を訳して、経験値をあげなければ。それに、普段関係のない仕事をしている分、なるべく訳す機会はつくらないとねー。

それと、忘れないうちに

≪今回のリーディングの反省≫

670ページもの大作だったので、メモも21ページまで膨らみました。登場人物が四世代にもわたって描かれ、舞台も各国にわたるようなやたらスケールの大きい作品だったので、まとめるのもひと苦労。登場人物同士も複雑に絡み合っており、互いの関係を説明し忘れいるのにきづいて、後であわてて付け加えたり。今までも図を作って整理するなどの工夫はしていたのですが、それだけでなく、小論文を書くときのように、ある程度、構成を考えてから書きだした方が、書きもらしがなくてよさそう。

(見直しの時に気付いたこと)

・最初にきちんと紹介・・・キャラクターの身分、職業などは、初登場の時にきちんと触れる。

・関係を説明・・・登場人物同士の関係を忘れず説明する。

・書かなくて済むことは極力省く・・・「冬の」を入れなくても、吹雪だと書いてあれば冬だとわかる。

・小道具はカット・・・何かを説明するために出てきた小道具はカット。たとえば、被害者が祖母だったと書けば、それを説明するための小道具、コートの中の写真はカットしてOK。

・動機が複数あるとき、書きもらさないよう注意・・・すべてに触れなくてもいい場合もあると思うが、その動機が他のキャラクターと絡んでいて、カットすると齟齬が出るような場合は書きもらしちゃダメ。 

(担当の編集者さんに突っ込まれたところ)

当たり前だとは思いますが、やはり、売れるかどうかが最大関心事のよう。それから、類書と比較してどうか、ということを前回にひきつづき今回も聞かれました。今回の作品については、突っ込みどころも多く、忌憚のないところをいっちゃいましたが、そういうのが好きな人もいるんだよねーとのこと。たしかに、何が売れるかはわからないものねえ。

・キャラの立場を明確に・・・二重スパイをしているキャラが出てきたんですが、結局どっちの味方?と聞かれました。文中で分かるようにはしていたつもりでしたが、やはり明確に書くべきでした。

・ヘンに文学的な表現を使わず、ずばっと・・・「死んだ」ってことが分かりづらかったみたい。そういやリーディング講座の時にも指摘されたなあ。死んだなら死んだとズバッと書く。

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リーディング反省 原稿が来るまで

H書房のリーディングは11月に引き続き、今回が2度目になりますが、その間に2本シノプシスを書いていました。原稿が届くまで、その反省など。

一本目は三人称多視点。前回のH書房の本もそうでしたが、一視点の場合より悩みました。結局この本も多視点のまままとめましたが、他の経験者にきいてみたところ、そういうときは一視点に定めると言っていました。うーむ。それも手だよね。

この本はエピソードがやたらに多くて、ひともやたらと出てくるうえ、強弱があまりついていない(どのエピソード、どの人物が重要なのかわかりにくい)。まとめづらい本でした。そういうときはエピソードの中身だけ抽出するようにして、出来事を追わないほうがよさそうですね。あやしさを匂わすためだけに出てきたエピソードや、伏線を張るだけ張って十分にフォローされていないものもあったり。そういうのもカットしてよさそう。全部拾ってたら大変なことになる。このときはまず、相関図を作ってみました。それぞれの目的と行動をちょこちょこと書きこむ。少し整理できたかも。それから、メモの内容を人物ごとに色分けしてみました。この方法は結構まとめやすかったかも。

二本目は三人称一視点で、視点についてはあまり悩まずにすみました。感情描写が豊かなタイプの本だったので、メモは減るかと思いましたが、連続殺人もので、被害者、証拠、目撃者などの情報がたくさんあり、結局メモは結構な量になりました。

一本目とちがい伏線もしっかりフォローされていて、とても出来の良い本でしたが、これはこれでまとめるのが大変でした。謎が少しずつ解明されてくるので、それがとくにまとめづらかった。推理するという頭の中だけでの動きをどこで入れるかも悩んだなあ。

たくさんある情報も取捨選択。犯人の小技は捨てる。推理の途中はカット、誰が調査していたか等の情報もカット。

このときは、主人公の背景、犯人の動機、各事件の概要、被害者、証拠、などについて、ブレインマップのようなものを作ってみたのですが、だいぶ頭の中が整理されました。今回も作ってみようと思います。

原稿もきたことだし(レンガくらいの厚みがある・・・(T_T) 人殺せそう)、かかるとしますか。

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追いうち

さあ、しばらくのんびりするかなー、と思っていたら、今朝リーディングの依頼が・・・・・・。今抜け殻だし、事務所もそうそうお休みとれないし(快くお休みさせていただけるのですが、さすがにあまり休むと申し訳ない。ほんとにいい職場です)、今回はご遠慮しようと思ったのだけれど、電話を切るときにはなぜか受けるという話になってました。納期も、最初のオファーより3日も延ばしてくれたので、それならお休み取らなくてもなんとかなるかなあと。しかし、これでまた、授業の課題ができないわ・・・せっかく汚名返上を誓って燃えていたのに!

それにしても、H書房はリーディング部門(?なんてあるのかしら)と翻訳部門?は完全に分離してるのかしら。下手をすると同時に依頼されるなんてこともあるんじゃなかろうか。リーディング受けている最中に翻訳が来たら断らざるを得ないよねえ。それはおしいなあ。逆ならまだいいけど。

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抜け殻状態

何とか提出。抜け殻状態。私にはキツイ仕事だった……。人の頭の中だけで展開する論文を訳すのが、こんなにやりづらいとは。作者の伝えたいことを読み取って、分かりやすく伝える。根本の所はミステリーの翻訳と同じなんだろうけど、なんせ未熟なもので、形が変わるとあたふたしてしまう。

やっぱり私は物語がいいなあ。物語の世界に流れる空気を伝えたいのよ。物語の再構築をしたいのよ~。(選べる立場じゃないのはわかってるけど。そもそも、もう、これでお仕事が来なくなるかも知れないけどさ。)いつもだったら、最終段階ではアハ体験?の嵐に襲われるのに(アドレナリン?みたいなものがでる瞬間があってそれがやみつきの元でもあるのです)、それもあまりなく、ひたすら苦行に近かった・・・。でも、まあ、勉強にはなったのは事実。最初聴いてられないほどの音痴のアイドルでも、ステージで場数を踏むうちに、何とか聴けるようになったりするけど、そんなふうに、少しずつでもプロっぽくなっていければ!(出版社にとっては迷惑?)

それにしても、前回の短篇の時には、受領しましたというメールを頂けたのに、今回は何の反応もない。あまりの訳文のひどさに、編集者が青ざめているのではないかなどと、あらぬ(充分あり得るかも知れないけど)妄想をしてしまうわ。

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