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ご無沙汰してます

このブログは、なかなか会えない友人への近況報告の意味もあるので・・・・・・暗い話題でたいへん恐縮ですが・・・・・・父が末期の膵臓がんで数か月の余命宣告を受けてしまいました。

健康おたくで、お酒もたばこもやらない。いつも腹八分目に抑えて、病気らしい病気は一度もしたことがなかった父がどうして癌にならなければいけないのか、どうしていきなり末期なのか。知ってから三週間くらいは毎日泣いていました。それほど父親っ子ではないので(むしろ昔は反発していたぐらいで)、ここまで自分が衝撃を受けるとは思いませんでした。自分の一部が死んでしまったような、心のなかが真っ黒に塗りつぶされてしまったような気持ちで、この一ヶ月は自分でもどうやって生きていたのかわからないくらいでした。またタイミング悪く、静山社からリーディング依頼が来ていたので、なかなか父に会いに行けず、、、。2,3行読んでは泣いている状態だったので、よく終わらせることが出来たと思います。(よく、事務所の仕事もこなせたものです。。ぼーっとして判を押さずに契約書を送ってしまったりはしましたが)終わってからは毎週のように実家に帰っていますが、ようやく母もわたしも妹も、みんな少しずつ落ち着いてきました。(弟は最初から落ち着いてましたが・・・)とにかく父が前向きで闘志にあふれているのに救われています。

手術もできず、今一般的に行われている治療法では、もう打つ手がないということになってしまうのですが、まだ正式に認可されていない方法に、癌ワクチンという方法があります。本人の免疫細胞を取り出し、大量に培養して体内に戻す方法です。今はとりあえず抗がん剤を飲んでいますが、手遅れにならないうちにそちらの治療法を試してほしいと思っています。保険が効かないので、点滴一回ウン10万というものすごい額ですが、とにかく生きていてほしいのでわたしも貯金を使ってもらうことにしました。
親というのは生きていてくれるだけでありがたいものだと、ようやくわかりました。そして今回、大事な人を守るためには、お金が必要なんだということを身にしみて実感しました。自分もいつ同じ病気になるかわからない、それを考えたとき、やはり翻訳をやりたいという気持ちにまったく変わりはないけれど、お金に苦労してもいいから、今の仕事を辞めて翻訳一本にしたいという気持ちはなくなったと言っていいと思います。今度は母を守らなければならない日が来るかもしれません。そのときにお金がなくて守れないなんて耐えられません。。。(もっと翻訳の能力が高ければ話は別なのでしょうが)
とりあえず、今父はモリモリ食べて、毎日9キロも散歩するくらい元気で、担当医と喧嘩するくらいの頑固じじいぶりを発揮しており、わたしたちもそれを笑いあえるくらいの気持ちの余裕は出てきました。この幸せがどうぞいつまでも続きますように。
(試訳の話は、まだきませんが――お忙しい出版社のようで、どうやら少し先になりそうな様子です。かえって助かりました――この先の状況が読めないので、時間を見つけて少しずつ訳し進めておこうかと思っています。)

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コメント

いろいろと大変だったのですね。こちらも、八月以来いろいろなことがありましたが、お金、翻訳、親、病気、仕事、家族、についてはいろいろと考えました。

でも、いいことも少しはあったような気もします。これも経験だと思って頑張ってます。

投稿: miyabidori | 2012年12月 7日 (金) 02時32分

むしろ、ほんとうにたいへんなのはこれからかもしれません。それこそ、介護のことも考えないといけないかもしれません。妹は北海道で、弟は沖縄なので、母だけに任せっきりにもできませんし。。父はずっと自宅にいたいタイプのひとなので、なるべく望みはかなえてあげたいと思ってます。でも、自分のために誰かが犠牲になるようなことはいやがるひとなので、わたしも最初からあきらめてしまわずに、翻訳のほうも可能な限り頑張ってみたいと思っています。介護のことや、時間のやりくりの事など、いろいろ教えていただくこともあるかと思いますが、そのときにはよろしくお願いします。お互い大変な時期ですが、頑張りましょう。たまには息抜きに、ゼミや勉強会に顔を出してくださいね。

投稿: yukiwarisou | 2012年12月 7日 (金) 15時58分

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