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樹状細胞療法のこと 

樹状細胞のキーワードでここにたどり着く方に、これは伝えておかなければ。
少し前の記事で、末期患者にとってワクチンを受けにクリニックまで行くのはきつい、なんとかならないかと書きましたが、難しいけれど方法はあるようです。
個人の方のブログですが樹状細胞の在宅注射について書かれています。
http://melanoma-kiroku.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-9198.html
樹状細胞療法という保険適用外の診療でも、それを承知で引き受けてくれる往診医がいれば、なんとかなるようなのです。
こちらの方はご苦労して引き受けてくださるお医者さんを見つけられたようですが、うちの場合なら、新米とはいえ身内に医者の弟がいたのだから、東京のクリニックでワクチンを受け取って横浜の入院先まで注射をしに来てもらうことは容易だったはず。
読ませていただいたときは涙がとまりませんでした。
今頃になって気がついて、情けないばかりです。
ちゃんと勉強しておけば、父にあんなに苦しい思いをさせなくてすんだのに。
父はしばらくのあいだ、毎日何キロも散歩するなど、末期患者とは思えないほど元気だったので、わたしはすっかり油断して、急変して入院となった日、翻訳の勉強会などに出ていました。
ずっとそれが胸のつかえになっていましたが、これを知ってまた激しく後悔……(妹は妹で、家さがしに忙しくてそのころ帰れなかったのを後悔しているようですが)
そんな暇があったなら、もっと父のことを考えて、もっと勉強していればよかった。。
急変は突然来ます。もしご家族の方でこれを読まれた方がいらっしゃれば、そのときのために何をしてあげられるか、できるかぎりの手を打ってください。
でないと、ずっと後悔すると思うので。

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サプライズ

先日は自分の誕生日だったので、逆にプレゼントしてみました。

「生んでくれてありがとう」って母に。この半年、本当に苦労をかけたので。
ちょっと値の張るエメラルドの指輪。相方がプレゼントを買ってくれるというのを遠慮し、お金のかかる付き合いを断り、臨時収入も利用して購入しましたが、ネットで買ったので、届いてみたらちょっとイメージが。。。石が大きいので、ためしに自分でつけてみたらなんだかおもちゃみたい。。。 
喜んでもらえるか心配でしたが、わたしにプレゼントをしてくれるつもりでいたところに、逆に思わぬプレゼントで、とってもよろこんでくれました
ああいう、大きめの石は母くらいの歳になったほうが似合うんですね。
わたしがつけるとおもちゃのようなのに、ちゃんと本物に見えました!
「お父さんに一番感謝したいのは、あなたたちみたいな素晴らしい子を三人も授かったことだ」とまで言ってくれました(*^_^*)
誰からもプレゼントはもらわなかったけど、胸がホカホカする幸せな誕生日になりました。母にしてあげたいことはいろいろリストアップしているので、どんどん実行するぞ!
とりあえず、第一弾
サプライズプレゼント大成功!

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とはいえ

とはいえ、樹状細胞療法は父の心の支えになってくれました。亡くなる当日の朝まで、父は次回も治療を受けに行くつもりで、真剣に主治医の話を聞いていました。父は目標をつくってそれに向かって頑張るタイプでした。高価な杖でしたがそのおかげであれほど、凄まじいほどまでに頑張れたのだと思います。

独身時代の私の貯金から出したとはいえ、共同生活を営んでいるのに、ためらいもなく、無駄金になってしまう可能性の高いお金を出すことに同意してくれた相方には感謝しています。実の息子ですらエビデンスのない治療にお金は出さないといっていたのに、次のクールは自分が出すよとまで言ってくれて(結局出さずに済んでしまいましたが)、自分の親のように考えてくれました。相方の両親にも同じようにしてあげたいと思います。
わたしにはまだ4歳の甥っ子と7歳の姪っ子がいるんですが、この甥っ子がなんというかひとの気持ちとか、場の雰囲気と言ったものにとても敏感で、お見舞いに行ったときには、父の病室に入った途端、泣きそうな顔になって、「ここは悲しいね、悲しいところだね」としきりに繰り返していました。お姉ちゃんのほうはいつもどおり、「わーい!おじいちゃん、来たよー」って感じではしゃぎまくってましたが(^_^;)
こういう共感力みたいなものって、生まれつきのものに近いのかもしれません。
相方も似たようなところがあって、父のことで泣いたり笑ったりしている私と一緒になって、泣いたり、笑ったりしてくれました。末期のがん患者は、ふっとよくなる日があるようで、父もやけに元気になった日がありました。この分だと治る気がするなんて言っている父を見て、私もうれしくなって、これなら次の樹状細胞の治療も受けにいけるかもしれないよと相方に話すと、なんだかとてもうれしそうにににこにこしているので、どうしたのかなーと思ったらひとこと。
「おまえが笑ってると、おれ、うれしい!」
・・・・・・ホレテマウヤロ~!!(チャンカワイ風に)
冗談はさておき、
ときどき、こういう共感力の高い人にはほんとにかなわないなーと思います。
友人の話を思い出します。
友人もお母さんが癌で(幸い再発もなく元気でお過ごしです)、ある日手術を受けたそうです。友人はとても優しくて考え深い人ですが、妹さんは、どちらかというと思ったままぱっと感情で動くほう。手術を終えたお母さんの元に駆け寄って、恐かったねー、と言ってなきながらお母さんを抱きしめたそうです。お母さんもいっしょに泣いてしまった。それをみて友人はかなわないなーと思ったとか。
どちらが人間として優しいとかそういう問題ではないのだと思いますが、あいだに頭が入らない分、思いがストレートに相手に届くんですね。

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樹状細胞療法について

樹状細胞のキーワードでこちらにたどりつかれる方がいらっしゃるので、書いておかなければと思います。きっと真剣に情報を求めていらっしゃるばかりだと思いますので、少しでも参考になれば。

結果を言ってしまえば、効きませんでした。
しかし、弟はエビデンスがないから信用できないと言いつつも、一定の効果はあるのではないかと思っていたようです。父の主治医の先生も、決してあやしげな治療ではない、いずれ日本でも認可されるはずだと言っていました。
ただし、とある文献によれば、効くまでに3カ月はかかるのだとか。高い治療なので早めに始めるのは不安だと思いますが、始めるならば早いほうがよいようです。
そして、受けるのなら、なるべく近くのクリニックを選ぶことです。
横浜から東京は遠かった。末期の末期の患者は、移動するだけでもひどくからだに負担がかかります。父の場合、最後のほうはもちろん立ったりもできなかったので、車いすのまま、行きは免許のある妹がワゴン車に乗せて運び、帰りは(妹は子供たちのお迎えがあったので)私が介護タクシーを手配して東京から横浜までつきそいました。車に乗っているだけでも相当苦しそうでした。
最後のほうは、治療を受けに行くたびにあまりに状態が悪化するので(意識不明にも陥りました)、むしろ樹状細胞の治療が命を削ったようにすら見えました。
いくらだって払うから、父の入院する横浜まで注射を打ちにきてくれないかと思ったものです。実際どうにかならないものなのでしょうか。叔母もやはりがんで、免疫療法を受けたそうですが、最後の二回はクリニックまで行くことができず、注射を打ってもらうことができなかったそうです。他の病院では治療行為が行えないとか(保険診療の病院では、保険の適用がない治療が行えないとか)そんな決まりごとがあるのかもしれませんが、ほんとうに、なんとかしてもらいたいものです。
(弟にクリニックの医者を説得させて、こっそり樹状細胞を持ちかえらせて注射してもらおうかとも思ってしまいました。見る間に悪化するので、そんな余裕はとてもありませんでしたが)

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